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Webデザイナー・コーダーでも意外と知らない!?デバイス適応デザイン(フィックスデザイン、フルードデザイン、アダプティブデザイン、レスポンシブデザイン)を紹介!

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Webデザイナー・コーダーでも意外と知らない!?デバイス適応デザイン(フィックスデザイン、フルードデザイン、アダプティブデザイン、レスポンシブデザイン)を紹介!

こんにちは、Webデザイナーの 夢拓(MUHIRO)です。

Webサイト制作において、サイトのレイアウトはユーザー体験を左右する非常に重要な要素です。
画面サイズやデバイスが多様化する中で、どのようにレイアウトを設計するかは、特にスマートフォンの普及によってますます重要視されるようになっています。

この記事では、代表的な4つのレイアウト手法(この記事は、「デバイス適応デザイン」とよびます。)であるフィックスデザイン、フルードデザイン、アダプティブデザイン、レスポンシブデザインについて紹介し、それぞれの特徴や適用シーンについて解説していきます。

この記事はこんな方におすすめ!

  • Webデザイナーを目指している方・初心者Webデザイナー
  • デザインを論理的に説明したい方

私は今までに累計制作実績6,000件以上の制作会社に勤め、多くのWebサイト制作に関わってきました。
この記事を最後まで読むことで、デバイス適応デザインをしっかりと理解し、より効果的なWebサイト制作ができるようになります。
ぜひ、最後までご覧ください!

それでは、どうぞ!

Index

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Webデザインの進化と「デバイス適応デザイン」の必要性

インターネットの発展に伴い、Webデザインも劇的な進化を遂げてきました。初期のWebデザインは、主にデスクトップパソコンの限られた画面サイズを前提に設計されており、固定されたレイアウトが一般的でした。

しかし、技術の進化とともに、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、大画面モニターなど、多様なデバイスが普及し、Webサイトの表示方法にも柔軟性が求められるようになりました。
このような多様なデバイスや画面サイズに適応できるデザインアプローチが「デバイス適応デザイン」と呼ばれるものです。

Webデザインの役割は、単に美しいページを作るだけでなく、ユーザー体験(UX)を向上させることにあります。
特に、スマートフォンの利用が急増している現在、Webデザインにおける柔軟性は非常に重要です。Statista(データ収集と視覚化に特化したドイツのオンラインプラットフォーム)によると、2024年までに世界のインターネット利用者の74%がスマートフォンを主なデバイスとしてインターネットにアクセスすると予測されています。

こうしたトレンドを踏まえ、Webデザインはどのデバイスからでも快適に表示され、操作できることが求められるようになりました。

初期のWebデザインと画面サイズの固定化

Webデザインの初期段階では、固定的なレイアウトが主流でした。
例えば、1990年代後半から2000年代初期にかけて、多くのWebサイトは800ピクセルや1024ピクセル幅の固定デザインが採用されていました。この頃のWebデザインは、ほとんどがデスクトップパソコン用に最適化されており、特定の画面サイズに合わせて設計されていたため、他のデバイスで表示するとバランスが崩れることがありました。

これは、当時のデバイスの選択肢が限られていたことによるものです。スマートフォンやタブレットといった多様なデバイスが普及する前は、ほぼすべてのユーザーがデスクトップかラップトップからアクセスしており、画面サイズの違いは比較的少なかったのです。

モバイルデバイスの普及と新たなデザインアプローチ「デバイス適応デザイン」の誕生

2000年代後半に入ると、AppleのiPhoneを筆頭にスマートフォンが急速に普及しました。
これに伴い、タブレットや他の小型デバイスも続々と登場し、Webデザインはそれまでの固定レイアウトから脱却し、さまざまな画面サイズに対応する必要に迫られました。
Webデザイナーたちは、モバイルフレンドリーなデザインを考慮し始め、ユーザーがどのデバイスを使用しても快適にサイトを閲覧できるようにするアプローチを模索しました。

これが「デバイス適応デザイン」の誕生です。このアプローチでは、デバイスごとの画面サイズや解像度に適応するため、Webサイトが柔軟に変形・調整されることが求められます。今日のWebデザインにおいては、以下の4つの主要なアプローチが一般的に使用されています。

デバイス適応デザインの主要な4つのアプローチ

  • フィックスデザイン(Fixed Design)
  • フルードデザイン (Fluid Design)
  • アダプティブデザイン (Adaptive Design)
  • レスポンシブデザイン (Responsive Design)

フィックスデザイン(Fixed Design)

フィックスデザインは、その名の通り、固定幅のレイアウトを指します。
ウェブページの横幅が一定に決められており、ユーザーがどのデバイスからアクセスしても、同じ幅で表示されます。通常、ピクセル単位でレイアウトが指定されるため、デバイスの画面サイズや解像度に関係なく同じ見た目を維持します。

フィックスデザインの特徴

  • 一貫したレイアウト
    フィックスデザインはピクセル単位で固定されているため、ユーザーがどのデバイスで閲覧してもデザインが変わることがありません。
  • 簡単な実装
    デザインが固定されているため、コーディングが比較的シンプルです。また、デザインが複雑になっても細かなレイアウト調整がしやすいです。
  • デバイス依存
    固定幅のため、特定のデバイスや解像度に依存してしまいます。たとえば、幅が大きなデバイスでは余白が多くなり、小さなデバイスでは表示が崩れることがあります。

フィックスデザインの利用ケース

フィックスデザインは、主にデスクトップを想定したレイアウトが主流だった時代によく使用されていました。
多くのユーザーが同じ解像度でコンテンツを閲覧する環境では、フィックスデザインが適しています。しかし、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが主流になるにつれて、その利便性は低下しました。

フィックスデザインのメリット

  • デザインが一貫しているため、ブランドイメージを保ちやすい
  • コーディングが比較的簡単で、デザインの正確さを維持できる

フィックスデザインのデメリット

  • モバイルデバイスではレイアウトが崩れやすい
  • デバイスの画面サイズに応じて無駄なスペースが生じる

フルードデザイン (Fluid Design)

フルードデザインは、ウェブページの幅が可変で、ユーザーのデバイスやウィンドウのサイズに応じて、ページ全体が動的に拡大・縮小されるレイアウト手法です。
通常、幅はパーセンテージで指定され、画面サイズに応じてレイアウトが流動的に変化します。

フルードデザインの特徴

  • 柔軟性の高いレイアウト
    画面サイズに応じて自動的にレイアウトが調整されるため、ユーザーがどのデバイスを使用しても自然に表示されます。
  • 細かなコントロールが難しい
    デザインの各要素が相対的に動くため、固定幅のデザインと比べて細かい調整が難しくなることがあります。また、画面サイズが極端に大きい場合や小さい場合には、レイアウトが崩れる可能性もあります。
  • すべてのスペースを有効活用
    無駄な余白が少なく、画面全体を効率的に使用できるため、特に大画面デバイスでは効果的です。

フルードデザインの利用ケース

フルードデザインは、デスクトップやタブレットなど異なる解像度を想定するサイトで利用されます。デバイスに依存せず、画面幅に応じて自動的にレイアウトが調整されるため、異なるユーザー環境でも一貫した体験を提供することができます。

フルードデザインのメリット

  • 画面サイズに柔軟に対応し、無駄なスペースを減少させる
  • デザインがデバイスに依存しない

フルードデザインのデメリット

  • 細かなレイアウト調整が難しく、思わぬところで崩れる可能性がある
  • 極端に大きい、または小さい画面では、デザインの意図が損なわれることがある

アダプティブデザイン (Adaptive Design)

アダプティブデザインは、複数の固定幅レイアウトを用意し、デバイスや画面サイズに応じて最適なレイアウトを選択して表示する手法です。
例えば、モバイル、タブレット、デスクトップ用にそれぞれ異なるデザインを準備し、ユーザーの使用デバイスに応じて自動的に適切なレイアウトが表示されます。

アダプティブデザインの特徴

  • デバイスごとの最適化
    特定のデバイスに合わせたレイアウトを提供できるため、ユーザーエクスペリエンスが高くなります。特に、モバイルユーザーに対しては、小さな画面に最適化されたレイアウトを提供できるため、操作性が向上します。
  • 開発の負担が増加
    複数のレイアウトを設計・実装する必要があるため、開発やメンテナンスのコストが増えることがデメリットです。
  • 特定のデバイスに依存
    アダプティブデザインは、あらかじめ定義された画面幅に依存するため、想定していないサイズのデバイスでは対応が難しくなることがあります。

アダプティブデザインの利用ケース

アダプティブデザインは、特定のデバイスや画面サイズに最適化された体験を提供したい場合に有効です。特に、モバイルユーザーが多いサイトやアプリケーションでは、各デバイスに特化したレイアウトを提供することで、ユーザーエクスペリエンスが向上します。

アダプティブデザインのメリット

  • 特定のデバイスに合わせたカスタマイズが可能
  • ユーザーエクスペリエンスが向上しやすい

アダプティブデザインのデメリット

  • 複数のレイアウトを用意する必要があるため、開発やメンテナンスコストが高くなる
  • 対応していないデバイスでは、レイアウトが崩れる可能性がある

レスポンシブデザイン (Responsive Design)

レスポンシブデザインは、フルードデザインとアダプティブデザインのハイブリッドとも言えるレイアウト手法です。

画面サイズやデバイスの解像度に応じて、レイアウトが動的に変化しますが、特定の画面サイズに合わせた「ブレークポイント」を設定し、レイアウトやコンテンツが最適に表示されるよう調整します。

レスポンシブデザインの特徴

  • 柔軟な表示
    レスポンシブデザインは、どのデバイスでも一貫したユーザーエクスペリエンスを提供します。デスクトップ、タブレット、スマートフォンなど、すべてのデバイスで適切なレイアウトが自動的に表示されます。
  • メンテナンスが容易
    一つのレイアウトを基にして、異なるデバイスに対応するため、メンテナンスがしやすいです。また、CSSメディアクエリを使用して、ブレークポイントごとにスタイルを変更するため、コーディングも比較的シンプルです。
  • デバイスに依存しない
    レスポンシブデザインは、デバイスの解像度に応じてレイアウトを動的に変更するため、特定のデバイスに依存しません。

レスポンシブデザインの利用ケース

レスポンシブデザインは、すべてのデバイスに対応する汎用性の高いレイアウトです。そのため、近年のウェブデザインにおいては標準的な手法として広く採用されています。特に、スマートフォンやタブレットが普及し、多様なデバイスでインターネットにアクセスするユーザーが増加する中で、レスポンシブデザインの重要性はますます高まっています。

レスポンシブデザインのメリット

  • 一貫したユーザーエクスペリエンス
    どのデバイスでも最適な表示が可能で、ユーザーはデバイス間でストレスなくウェブサイトを閲覧できます。
  • メンテナンスが簡単
    一つのコードベースで多くのデバイスに対応できるため、メンテナンスや更新が比較的容易です。
  • SEOに効果的
    Googleをはじめとする検索エンジンは、モバイルフレンドリーなウェブサイトを評価しやすいため、レスポンシブデザインを採用することでSEO効果も期待できます。

レスポンシブデザインのデメリット

  • デザインの制約
    すべてのデバイスに対応させるため、時にはデザインの自由度が制限されることがあります。例えば、デスクトップ版とモバイル版で異なるレイアウトを完全に実現したい場合、調整が難しいことがあります。
  • パフォーマンスの影響
    レスポンシブデザインでは同一のHTMLやCSSをすべてのデバイスで使用するため、デスクトップで必要な画像やスタイルがモバイルデバイスにもロードされることがあります。これがパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

デバイス適応デザインの比較と使いどころ

フィックスデザイン vs フルードデザイン

フィックスデザインとフルードデザインの大きな違いは、レイアウトが固定されているか、可変であるかという点です。

フィックスデザインは、デスクトップ中心の時代には非常に効果的でしたが、モバイルの普及に伴い、その適用範囲は限定的になっています。
一方、フルードデザインは柔軟性が高く、画面サイズに応じてレイアウトが調整されるため、異なるデバイス間で自然な表示を実現できます。

ただし、フルードデザインには、極端に大きいまたは小さい画面ではレイアウトが崩れる可能性があるというデメリットもあります。
このため、現在のウェブデザインでは、より柔軟かつ安定したレスポンシブデザインの方が主流となっています。

アダプティブデザイン vs レスポンシブデザイン

アダプティブデザインとレスポンシブデザインの違いは、アダプティブが特定の画面サイズに応じて異なるレイアウトを提供するのに対して、レスポンシブデザインはすべての画面サイズに対して動的に対応できる点です。

アダプティブデザインは、事前に定められたデバイスに対して最適化されたレイアウトを提供できるため、デザインの精密さが求められるプロジェクトに適しています。

一方、レスポンシブデザインは、デバイスに依存せず、すべての画面サイズでスムーズに機能します。特にモバイルユーザーが多いウェブサイトや、幅広いデバイスに対応したサイトが必要な場合には、レスポンシブデザインが有効です。

選択のポイント

どのデザイン手法を選択するかは、プロジェクトの目的や対象ユーザー、コストやメンテナンスの考慮事項によります。以下は、各デザイン手法を選択する際の一般的なガイドラインです。

  • フィックスデザイン
    主にデスクトップ中心のサイトで、画面サイズがほぼ一定のユーザー層をターゲットにする場合。
  • フルードデザイン
    異なるデバイスで一貫した表示が必要だが、完全なレスポンシブ対応が不要な場合。
  • アダプティブデザイン
    特定のデバイス(例:モバイルやタブレット)に最適化された体験が必要で、異なるレイアウトを用意できる場合。
  • レスポンシブデザイン
    すべてのデバイスに対応した、汎用的かつ柔軟なサイトを構築したい場合。

デバイス適応デザインの重要性

「デバイス適応デザイン」は、今日のウェブデザインにおいて欠かせない要素となっています。

ユーザーがどのデバイスからアクセスしても、快適で一貫性のある体験を提供できることは、企業にとって重要な競争力の一つです。
特に、スマートフォンの利用がインターネットアクセスの主流となっている現代において、デバイスに最適化されたウェブサイトの設計は、ユーザーエクスペリエンスの向上やSEO対策にも直結します。

まとめ

いかでしたでしょうか?
今回の記事では、デバイス適応デザインについて解説しました!

今回の記事のまとめ

  • デバイス適応デザインについて
  • フィックスデザインについて
  • フルードデザインについて
  • アダプティブデザインについて
  • レスポンシブデザインについて

フィックスデザイン、フルードデザイン、アダプティブデザイン、そしてレスポンシブデザインは、それぞれ異なるアプローチでユーザー体験を最適化しようとするウェブデザインのレイアウト手法です。どの手法を選ぶかは、ターゲットユーザーのデバイスや利用シーン、プロジェクトの目標に依存します。

しかし、今日の多様化したデバイス環境を考慮すると、最も柔軟で汎用性が高いのはレスポンシブデザインです。レスポンシブデザインは、一度のコーディングであらゆるデバイスに対応できるため、メンテナンスやSEOの面でも大きなメリットがあります。その一方で、特定のデバイスに最適化した体験を提供したい場合は、アダプティブデザインの方が適しているかもしれません。

最終的には、プロジェクトのニーズや目標に応じて、適切なデザイン手法を選択することが成功の鍵となります。それぞれの手法が持つ強みと弱みを理解し、最適なユーザー体験を提供できるようにすることが重要です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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