SVGの正円について解説!stroke-dasharray、stroke-dashoffsetを使いこなす方法
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こんにちは、Webデザイナーの 夢拓(Muhiro)です。
Webデザインの世界では、UI/UXの向上を目的とした細やかなアニメーションが注目を集めています。
その中でも、SVG(Scalable Vector Graphics)を活用したアニメーションは、解像度に依存せず、軽量で柔軟な表現ができるため、多くの現場で重宝されています。
中でも「円」に動きを加える手法は、読み込み中のローディングアニメーションやデータの視覚化、ユーザーの注目を集めるインタラクションとして特に人気です。
こうした表現を可能にするキープロパティが、stroke-dasharray と stroke-dashoffset です。
この記事では、SVGで正円を描く基本から、これらのプロパティを活用したアニメーションの応用までを詳しく解説します。
本記事では、基本から応用まで段階的に解説することで、どなたでも無理なくSVGアニメーションをマスターできる内容となっています。
この記事を読んで、SVGの stroke-dasharray ・ stroke-dashoffset を使った実践的なアニメーションテクニックを活用して、最適かつ柔軟で視覚的に魅力的なWebサイトを制作いただけるようになります!
それでは、どうぞ!
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SVGで「正円」を描く基本
SVGで円を描画するためには、<circle>要素を使用します。
このタグでは、中心座標を表す cx と cy 、円の半径を示す r 、輪郭線の色や太さを表す stroke と stroke-width といった属性を指定することで、ブラウザ上にベクター形式の正円を描くことができます。
SVGはCSSとも親和性が高いため、HTML内に直接記述したSVGに対してもスタイルシートから装飾を加えることが可能です。
また、レスポンシブ対応も簡単にできるので、あらゆるデバイスに柔軟に適応できます。
この基本的な円の描画が、のちにアニメーションを加えるベースとなります。
まずは、正確に円を描くことがアニメーション制作の第一歩です。
属性の解説
- cx, cy円の中心座標(x, y)
- r半径
- stroke線の色(円の輪郭)
- stroke-width線の太さ
SVGで「正円」の実践デモ|
stroke-dasharrayの基本と役割
stroke-dasharray はSVGの線に対して「描く長さ」と「空白の長さ」を交互に指定するプロパティです。
例えば、stroke-dasharray: 10 5; と指定すれば、「10px線を描いて、5px空ける」というパターンが繰り返されます。
このプロパティは、線を破線として表示するだけでなく、アニメーションの基礎としても非常に重要な役割を果たします。
特に、円の外周(=周長)を計算して stroke-dasharray に指定することで、円を「一筆書きする」ようなアニメーションを作る土台が整います。
円の周長は、2πr(2 × 円周率 × 半径)で求めることができます。
例えば、半径50の場合、周長は約314.15となり、それをstroke-dasharrayに設定することで円全体を描く準備が整うわけです。
stroke-dashoffsetの基本と役割
stroke-dashoffset は、 stroke-dasharray で設定されたパターンの開始位置をずらすためのプロパティです。
これにより、円の描かれ始める位置や、描かれるタイミングを制御することができます。
例えば、stroke-dasharray に周長を指定し、stroke-dashoffset にも同じ値を設定すると、線がすべて非表示になります。
そこから徐々にdashoffsetを0に近づけていくことで、あたかも「線が描かれていく」ようなアニメーションが可能になります。
この仕組みを利用することで、CSSの@keyframesや<animate>タグを用いた簡易的なアニメーションがJavaScript不要で実現できます。
Webパフォーマンスや保守性の観点でも、非常に優れたアプローチです。
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正円にアニメーションを加える
ここでは、SVGで描いた正円にアニメーションを加える具体的な手順を紹介します。
まず、<circle> タグで基本的な円を描き、次にその円に stroke-dasharray と stroke-dashoffset を適用します。
周長分の stroke-dasharray を設定し、初期状態で stroke-dashoffset を同じ値にして非表示に。
その後、CSSのanimationプロパティを使用して徐々に0に近づけることで、円が描かれていくような演出が完成します。
この手法は、ページ読み込み時のローディングインジケーターや、時間経過に伴うタイマーUIなど、さまざまなインタラクションに応用できます。
アニメーションのタイミングやイージングもCSSで調整できるため、デザインに合わせた微調整も容易です。
正円の線がだんだん消えていくアニメーションの実践デモ|
実装例:正円の線がだんだん消えていくアニメーション
HTML
<svg width="300" height="300" viewBox="0 0 300 300"> <circle class="circle" cx="150" cy="150" r="148" stroke="#fff" stroke-width="2" fill="none" /> </svg>
CSS
@keyframes draw { 0% { stroke-dashoffset: 0; } 100% { stroke-dashoffset: 929.911; } } .circle { stroke-dasharray: 929.911; stroke-dashoffset: 0; animation: draw 2s ease-out infinite; }
このコードは、SVGで描かれた正円の周囲の線を、CSSアニメーションで徐々に消していく演出を実現しています。
使用されているプロパティは stroke-dasharray と stroke-dashoffset です。
stroke-dasharray で線のパターンを定義し、stroke-dashoffset に同じ値を設定することで、線を見えなくします。
そして、CSSアニメーションで stroke-dashoffset を0から周長に向かって増やすことで、線が消えていくような動きになります。
このコードでは、円の周長を約 929.911px(半径148px × 2π)として設定しており、アニメーションは2秒で完了し、無限ループします。
半径が148px、strokeが2pxなので、全体で直径300px(148×2 + stroke幅)となり、SVGのサイズとピッタリ一致します。
よくある失敗と調整ポイント
SVGアニメーションを実装する際に初心者がよく陥りがちなミスや、知っておくと便利な調整ポイントをいくつかご紹介します。
周長の誤計算
stroke-dasharray に指定する値が円の周長と一致していないと、描画が途中で止まったり、アニメーションが滑らかでなくなったりします。
JavaScriptで動的に半径から周長を計算して適用する方法もおすすめです。
stroke-widthの調整ミス
線の太さ(stroke-width)が大きいと、視覚的にアンバランスに見えることがあります。
見た目とアニメーションの整合性を取るためにも、太さと全体のサイズ感を意識して設定しましょう。
描画起点のズレ
SVGの円はデフォルトで右(3時方向)から描画が始まります。
円の上側(12時方向)から開始したい場合は、SVG全体を transform: rotate(-90deg) などで回転させることで対応できます。
正円のアニメーションの応用アイデア
stroke-dasharray と stroke-dashoffset の基本的な使い方をマスターしたら、次は応用です。
実際にWeb制作で役立つ活用例をいくつかご紹介します。
- ローディングアニメーション円形の進行アニメーションで読み込み中を可視化
- 円グラフの動的描画データと連動させてグラフの割合を描写
- スキルゲージやスコア表示数値の上昇とともに線が伸びる演出
- ホバーやスクロール連動のエフェクトインタラクティブなUI構築に最適
これらの表現は、SVGの軽量さと柔軟性を最大限に活かしたものです。
JavaScriptと連携させれば、リアルタイムなデータ可視化や条件付きアニメーションも実現可能になります。
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この記事に関連するよくあるご質問
-
QUI/UX(User interface / User experience)とは?
-
A
UI/UX(user interface / user experience)は、Webサイトやアプリなどを使うときの見た目の使いやすさ(UI)と、体験そのものの満足度(UX)を指します。UIはボタンの配置やデザイン、UXは操作の流れや感情の動きまで含めて考える概念です。どちらもユーザー視点が重要です。
-
Qユーザーエクスペリエンス(User Experience)とは?
-
A
ユーザーエクスペリエンス(User Experience)とは、ユーザー体験とも言われ、ユーザーが製品やサービス、ウェブサイトやアプリケーションを利用する際に感じる体験すべてを指します。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上は、この体験を改善することでユーザーにとって製品やサービスの向上をさせることを目的としています。
-
Qユーザーインターフェース(User Interface)とは?
-
A
ユーザーインターフェース(User Interface)とは、UIとも呼ばれ、ユーザーが製品やサービス、ウェブサイトやアプリケーションとやり取りする際に直接触れる画面や操作部分を指します。
ユーザーインターフェース(UI)の設計は、視認性や操作性を高め、ユーザーが直感的に使いやすいと感じる体験を提供することを目的としています。
まとめ
いかでしたでしょうか?
今回の記事では、SVGで正円を描く方法と、stroke-dasharray・stroke-dashoffset を活用したアニメーションの基礎と応用テクニックについて解説しました。
今回のポイントをまとめますと、次のとおりです。
他にもSVGアニメーションに関する技術や実用テクニックを随時発信しています。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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